広告や出版の現場では、イラストを使う機会が多いですよね。
でも、いざ素材を探すと「商用利用ってどこまでOK?」「他社と被らないかな…?」と不安になる担当者さんも多いと思います。
実は、そんな悩みを解決する方法のひとつが「レンタルイラスト」という仕組み。
イラストレーターがすでに描いた作品を、期間や媒体を限定して貸し出すスタイルです。
この記事では、ビジネス著作権検定上級を保持するイラストレーター(制作側)として、
実際にレンタルをしている立場から、ライセンスの種類の違いも含めてわかりやすく解説します。
「レンタルイラスト」とは、すでに完成している作品を
一定の条件付きで使用許諾(ライセンス)する契約です。
条件を調整することで、広告や出版、Webなど幅広い媒体で利用できます。
たとえば:
といった具合に、目的・期間・媒体を指定して契約します。
納期を短縮できる上、新規制作より費用を抑えられるのが特徴です。
ここが一番誤解されやすいポイントです。
| ライセンス形式 | 内容 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ライツマネージド(RM) | 使用条件(媒体・期間・地域など)を個別に設定し、都度ライセンス料を支払う | 他社と使用が被りにくい/ブランド専用感が出る | 契約範囲外では使用不可/都度手続きが必要 |
| ロイヤリティフリー(RF) | 一度購入すれば、同一契約者が何度でも使用できる | 手軽で安価/ストックフォトなどで一般的 | 他社も同じ画像を購入可能/独占利用できない |
一般的な、レンタル(リース)イラストは基本的にライツマネージド型に近い運用です。
つまり「契約条件の範囲内でのみ使用可能」「再利用には再契約が必要」という扱いになります。
一方、PIXTAやAdobe Stockなどで販売されている素材の多くをロイヤリティフリー型と言います。
低コストで便利ですが、「他社も同じものを使う可能性がある」点には注意が必要です。
また、一度購入すればなんにでも利用可能というわけではなく、サービスごとに規定が設けられているので使用時には規約をよく読むことも大切です。
ライツマネージドも、ロイヤリティフリーも、イラストの著作権は、基本的に作家側に残ります。
そのため、契約外の範囲(他媒体で再利用・社内資料転用など)で使う場合は、追加のライセンス契約が必要です。
▼ライツマネージドで特に気をつけたいのは次のケース
▼ロイヤリティフリーで特に気をつけたいのは次のケース
他にも定額制や標準ライセンスでは、制限がある場合が多く、商用利用のグレーゾーンになりやすい部分なので、使用用途を事前に確認して進めることをお勧めします。
レンタルイラストは、次のようなプロジェクトに特に向いています。
「レンタル」という言葉はとてもカジュアルですが、
実際は権利関係を明確にしてトラブルを防ぐためのライセンス管理のひとつです。
ロイヤリティフリーの手軽さも魅力ですが、
ブランド案件や広告用途では、ライツマネージド型=レンタルイラストのほうが安全・安心。
使い方が少しでも迷ったら、まずはご相談ください。
制作側の立場から、最適な使用条件をご提案します。
ちなみにかみじょーひろの名義ではロイヤリティフリーのイラストを
カミジョウヒロの名義では、ライツマネージドのレンタルイラストを提供しています。
それぞれのイラストをベースに新たなイラストレーションをご依頼いただくことも可能ですので、良ければご相談ください。